
位相振動子系とは従来の振り子と違い,おもりが紐ではなく棒に取り付けられ,360°回転することもできる振り子のようなもので振動現象を表わすことがモデルのようなものである.不特定多数の位相振動子が何らかの形で結合して相互作用すると,不規則に回転していたものが,通常の振り子の同期現象と同じように,一定の位相差を保持することにより,同一速度で回転することにより同期します.

同期現象をオフセット制御に適用するため,信号機を振動子に例え,その状態を0~2πの位相角で表現します.つまり,信号機の状態というのは青・黄・赤の三つの色で表わせ,この三色は一定周期で変化していますから,赤から青に変わる状態を位相0として,振動子の位相角がたとえばこの図の青で示された領域にあるときは,信号表示が青になるといった規則により,振動子の位相角の変化に基づいて周期的に表示色を変化させる信号機を考えます.
位相振動子系によるオフセット制御では、まず、信号機の状態を0~2πの値をとる位相で表します.
つまり、信号機は青、黄、赤の3色の状態を周期的に繰り返し表示しますが、青信号開始の状態を0とする周期2πの位相角で表します.
ここで,ωは全信号機に共通の基準角速度であり,Δは目標とするオフセットであり,Kは交通流量を表す非負のパラメータである.
この常微分方程式は,交差点間の車両走行時間に相当するオフセットΔだけϕ_1 をϕ_0より遅らせることにより交差点0を車両が,交差点1も青信号で通過することを意図しています.